経営理念・行動指針

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経営者の能力と罪は別

日産のゴーン代表取締役会長及びクレッグ・ケーン代表取締役が金融商品取引法違反の疑いで逮捕された。
巨額の役員報酬に批判があるが、経営上問題なければ、幾らでも貰えば良いと私は思う。トヨタ自動車の豊田社長の年収3億に対し、ゴーンさんの給与は高すぎるというのは、あくまで日本の島国レベルでの話であり、結果が出ていれば問題ないと思う。

日産がなぜV字回復をしたか?大幅にコストをカットしたからだと雄弁に語る経済紙が多いが、実は違う。トヨタの後追いを止めたから(厳密にはゴーンさんが止めさせたから)、V字回復したのだ。

トヨタ自動車は和製戦略と言われる『ランチェスター戦略』を周到に研究し、日産と競争してきたことは有名な話だ。詳しくは省くが、ランチェスター戦略では、1位のシャアが26.1%以上且つ2位と10対6以上戦力差がある場合には、2位は1位との競争を諦め、下位つぶしに走ることが2位以下の戦略と呼ばれ、1位は2位、3位に対して、ミート戦略(同じ戦略を取り、差別化を消してしまう)を行い、下位の力を弱めることに力を注ぐことが戦略と言われている。トヨタは常に日産・ホンダの新車が出るたびに同じ様な乗用車を発表し、シェアを奪ってきた過去があるのは周知の通りだろう。日産は『技術の日産』を標ぼうし、下位潰しに走らず、常にトップ争いを演じていた。その戦略が自社の首を締めたのだった。

過度なトヨタへのライバル心から経営不振となった日産はトヨタとの国内での戦いを止めて、自動車市場が伸びる新興国へシフトするべく、国内の5工場閉鎖及び、2万人ものリストラを敢行したのだ。余計な固定費を削減し、4年で2兆円もの有利子を返したのは奇跡と呼ばれた。

実際には無駄を省き、経営資源を新興国、北米に向けて、売り上げを上げたからこそ、有利子が返済できたのだが・・・。

少子高齢化、若者の車離れもあり、結果として国内の縮小均衡戦略は大当たりしようだ。有価証券報告書で確認出来るのだが、日産の営業利益の大半が国内の販売利益からもたらされている。ライフサイクル的には日本市場は成熟期に入り、回収するだけ回収するのが得策だと経営陣が判断したのだろう。縮小均衡戦略を国内のプロバー日本人経営陣が判断出来たかは不明だ。出来ないからこそ、ルノーからゴーンさんが派遣されたのだと理解している。

国内は利益が出ているとはいえ、以前の日産ファンからするとモロ足りないカーラインナップだが、国内3位(シェア率11%)の自動車メーカーとしては1位との差別化戦略も取れており、さずがゴーンさんだと私は思う。

トヨタは国内のシェア維持と雇用維持の為、何振り構わず策を講じてきている。月極の乗りたい放題もシェア1位のトヨタだからこそ、実行できる戦略だ。日産が実施した場合には、間違いなくトヨタに同じ策を講じられて、シェアを奪われてしまうだろう。日産が高級ブランド『インフィニティ』を日本で展開しないのは、日本の車市場が縮小傾向且つレクサスの販売台数が思ったより伸びていないから、参入余地が
無いと判断しているのだと思う。とても賢い選択だと僕は思う。

国内及び徹底的にトヨタとの戦いを捨てたからこそ、2017年度世界第2位の販売台数(トヨタは3位)にまで、上り詰めたのだ。

経営能力は別として、罪は罪として司法の判断を受けなければならないだろう。島国日産に戻らないことを祈念する。



兵站が伸びすぎた

ライザップの中間決算が発表された。黒字予想から、一転、大幅な赤字、通期でも赤字予想とのことだった。株式市場やステークホルダーや一般の人には青天の霹靂だったかもしれないが、彼らの決算資料を読んでいた人からすると、『やっぱり』という声が多いのではないでしょうか?
2018年3月決算資料を見ると良く分かる。営業利益は136億円だが、キャッシュフローはわずか8,800万円である。つまり、お金が入ってこないのである。利益があっても、現金が無い状態なのだ。M&Aをする為には、資金が必要の為、金融機関から年270億円程度調達している。
現金が入ってこない間も経営が可能なのは、金融機関から資金を調達しているからだと推測される。

なぜ?そんな危ない橋を渡ろうとしていたのだろうか?恐らく、ライザップで課したイケイケドンドンな売上目標を遂行するために、キャッシュフローよりも帳簿上の利益、トップライン(売上高)の拡大を社長自ら推進していたのだろう。
通常の会社であれば、黒字倒産してしまうだろう。優秀な財務担当がいるからこそ、出来る手法だと思う。

今回、問題視されていたのは、『負ののれん』だ。『負ののれん』とは帳簿上の純資産と売却時の純資産の差額を決済時に計上する。

ライザップのM&Aは簿価よりも安く購入しているので、購入益が発生することになる。その利益が営業利益の6割程度を占めていたそうだ。赤字企業の赤字額を、買収益で相殺していたことになる。カルビーCEOから就任した松本さんに『負ののれん』の活用の中止と、赤字企業の膿だしとコア事業(ライザップ)と関係のない事業の整理整頓をするように、瀬戸社長に迫ったというのが今回の大幅赤字の背景にあるようだ。2019年3月期の営業利益には、『負ののれん』を織り込み済みだったらしく、麻薬のごとく抜けられなくなってしまったようだ。(問題として、M&Aをしていない時点で、『負ののれん』を予測し、利益に織り込んでいるのはさずがにびっくりした。)

建売会社やボーリング、CD販売、介護事業等、ライザップの事業とは親和性が低い事業が数多くある、『シティリビング』や『ぱど』のような紙媒体を用いた斜陽産業事業も含まれており、再建力に定評があるライザップでも、一度、整理整頓するのは当然の帰結と言える。

子会社も投資事業の不調等で多額の赤字を出しており、ガバナンスが効いていないようだ。未上場を含めると数年で75社のM&Aを行っているので仕方ない部分はあるが、王道経営で有名なJ&Jの元日本法人社長の松本さんからすると、咎めない訳にはいかなかったのだろう。

今思うと、71歳の松本さんを40歳の瀬戸社長が招聘したのは、伸び過ぎた兵站の整理をしたかったのではないだろうか?瀬戸社長よりも年上且つ海千山千の経営陣や子会社社長に今回の英断を飲ませるには、老獪且つ経験豊かなプロ経営者に頼む他方法が無かったのではないだろうか。

瀬戸社長と私は歳が近いので、そんな苦悩があったのではと推測する。若く能力がある経営者だと思うので、これをバネに飛躍して欲しいと切に願う。


LIXIL

プロ経営者は厳しいようだ。LIXIL瀬戸社長が実質の更迭を受けた。創業家の意向が強いようだ。2代続けて、短期間の更迭だ。プロ経営者はプロ野球監督と同じだと、私の恩師は語っていたが、まさしくその通りだ。

中小企業経営者は、プロ経営者よりも苛烈かもしれません。高額な給与の保証もなければ、自分の財産も実質、金融機関に差し出して経営をしないとダメだから。金融機関や従業員から厳しい目が向けられる為、経営者としての生きがいが無い人にはとても苛烈な環境だと思う。利益が出ていれば何も言われないのだが、長い経営を通して、ずっと順調というのはあり得ないので、誰しも厳しい時代を経験しないといけないのだ。起業のハードルや調達のハードルが下がったが、大変さは変わっていない。むしろ、ハードルが下がった分、厳しさの落差に落胆してしまうのではないか。

今、25万人程度の70歳を迎えた社長が後継者不足で廃業を検討しているという。雇用が600万人失われ、GDPも20兆円前後だったと思うが、日本経済に影響が出ると言う。しかも、大半が利益が出ている会社だというのが驚きだ。

70歳社長の子息の大半は一流大学を出て、現在40歳過ぎ、上場企業の管理職にいるケースが多いという。給与もそれなり、仕事内容もそれなりの責任、規模があり、今更、全てのリスクを背負って、継ぐことは出来ないというのが多いらしい。

政府も事業承継をしやすいように仕組みを変えているようだが、経営者になると言うハードルが高い為、難しいだろう。
私も現在まで前職で働き続けていた場合には、かなりの給与水準だったので、辞められなかっただろう。

継がせる為には幼き頃より、働く意義や、雇用を支える意義、経営者として生きる教育を行なう必要があったのかも知れない。

LIXILの様に、中小企業にもプロ経営者が派遣される時代が近いと思う。(リクルートが実際に行っている)


大人

最近、忙しさと疲れからか、硬派な本が受け付けず、小説を読んでいます。同年代の平野啓一郎さんの『マチネの終わりに』を偶然、書店で手に取りました。来年、福山雅治さんと石田ゆり子さんで映画化されるということで、まだ読了したこともないということもあり、買ってみることにしました。

純文学の様に流れる様な文章のうまさ、語彙力の高さには、さすが芥川賞作家&京大卒だなと脱帽しました。明治、大正、昭和初期の文豪が使うような語句や言い回しを多用されており、作家としての基礎力の高さに唸ってしまいました。

40代男女が織りなす恋愛小説ですが、クライマックスへのアプローチは賛否両論あるのではないだろうか?真っ当な恋愛を重ねた大人が読んでいると仮定すると、結婚を決めた男女が高校生や大学生程度のいざこざレベルで数年間離れ離れになってしまうだろうか?その場面を読んだ瞬間から私にはこの本が受け付けられなかった・・・・。おそらく、読者を良い意味で欺くためには、効果的だったとも言える。ただ、40過ぎたおじさまには、そんな奇をてらった仕掛けは不要だったな。とても良い本なのですが、恋愛小説という点で見ると官能的でもなく、叙情的でも無かったのが残念。ライトな現代を反映した小説だと思う。


戦略

とある勉強会の事務局&講師をさせて頂いております。財務講座を開いたところ、好評の為、補講をすることに相成りました。財務が大事だと言いつつも、実はウエイト的には、大して重要ではなく、利益あっての財務ですので、本来は営業戦略や経営戦略の方がとても大事です。
そんな告知も補講で行おうかと思案し、資料を探しておりましたところ、うってつけの本を見つけました。『MBA入門2』(日経BP)がとても平易で分り易く、経営者に必要な経営戦略が丁寧に説明されています。

更には、ビジネスマンに大人気だった、三枝匡さんの事業再生小説『経営パワーの危機』、『戦略プロフェッショナル』、『V字回復の経営』もストーリー仕立てで読めるので、選択と集中を学ぶのにはうってつけだと思う。(弊社社員に読ませたが、難しかったそうです・・。)

戦略の大家といえば、一橋大学名誉教授、野中郁次郎先生が有名(小池知事ご推薦の書『失敗の本質』で有名)ですが、その方の最新作の『構想力の方法論』(日経BP 紺野登共著)がおすすめだが、内容が高度な為、事前に知識が必要だと感じた。実はまだ読了が出来ていない・・・。

83歳の野中先生が、最新のイノベーション戦略を執筆されているのは、とても素晴らしい。補講までに読了して紹介をしたいと思います。


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